精神科救急病棟

特殊な治療

修正型電気けいれん療法

修正型電気けいれん療法(modified ElectroconvuIsive Therapy:m-ECT)とは、うつ病や統合失調症の患者様の脳に電気刺激を与える治療法であり、病気の回復に向けて効果を挙げています。
現在、福岡県内でこの治療法を取り入れている医療機関はごくわずかですが、当院では平成23年3月よりパルス波治療器「サイマトロン」を導入し、治療を開始しました。サイマトロンは、アメリカの医療機器メーカーのソマティック社が開発し、2002年に厚生労働省が認可しました。従来の3分の1程度の電気エネルギー量を与えるだけでけいれんを誘発し、脳波や心電図、筋電図もモニターできるのが特徴です。
この治療法は、薬の治療では強い副作用が出てしまう方や薬物療療法に反応性が乏しい方、緊張、興奮、混迷などによる身体の衰弱や切迫した自殺の危険性があり、早急な症状の改善が必要な方などを対象に実施しております。これは、全身麻酔下で安全に行われますが、事前に担当医より患者様及びご家族への十分な説明を行い、同意を頂いたうえで実施されます。また、他の治療法と同様に医療保険が適用となります。

クロザピン治療

クロザピンとは

統合失調症の治療では、精神症状の改善のために薬物治療を行います。1種類の抗精神病薬で改善する方がいる一方で、複数の抗精神病薬を十分な量、十分な期間に服薬したにもかかわらず、症状の改善がみられず、長期にわたって生活に支障をきたしている方もおられます。このような状態を「治療抵抗性統合失調症」といいます。
クロザピンは2015年現在日本で唯一の「治療抵抗性統合失調症」に対する治療薬で、世界97ヶ国で既に使用されており、高い評価を受けています。当院では2014年よりクロザピン治療を行なっています。

副作用について

これまで複数の抗精神病薬で改善しなかった症状の改善が期待できるお薬ですが、白血球減少(0.5~2.6%)などの重篤な副作用や高血糖(0.58~1.68%)を起こすことがあり、その早期発見・早期対応のために定期的な採血が義務付けられています。白血球減少は治療開始後、4~5ヶ月までに起こると言われており、クロザピン治療を行う際は、原則18週間の入院治療が必要となります。
このように導入時の入院や定期的な採血が必要など制約はありますが、治療抵抗性統合失調症への治療効果は高いお薬です。
当院で治療を受けておられる方で、クロザピンを希望される方は、主治医にご相談ください。他の医療機関で治療を受けられている方は、今かかっている主治医にご相談の上、診療情報提供書を書いていただいたのちに、外来受診の予約をなさってください。