内科外来/腎・生活習慣病センター

生活習慣病について

生活習慣病とは、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、喫煙などの生活習慣が原因で発症する疾患です。
これらの好ましくない習慣を長期間続けていくと、自覚症状のないまま、糖尿病、高血圧症、慢性腎臓病、脂質異常症が発症します。これらの病気により、脳、心臓、腎臓、血管、細胞の障害がおこり、最終的には癌や脳卒中、心筋梗塞、透析、認知症などの重大な病気を引き起こしてしまいます。

生活習慣病と寿命

日本人の死亡に関連する危険因子をみてみると、下記図のように、喫煙が原因で13万人、高血圧が原因で10万人、運動不足が原因で5万人の方が亡くなられています。また、高血糖、食塩摂取過剰、飲酒、肥満など生活習慣に基づくものが、死亡の危険因子上位をしめています。
つまり「生活習慣を変える」、具体的には禁煙し、適切な食事療法と運動療法を行い、ダイエットを行う事で、寿命を延ばすことが可能である事を意味します。

生活習慣病と健康寿命 

   ~生活習慣を変えることで、脳卒中、認知症は予防出来る~

日本人の平均寿命は男性 80.5歳、女性87.0歳と年々増加しておりますが、同時に医療・介護費は年々増加を続けています。健康寿命とは、日常生活において介護を必要とせず、自立して生活ができる生存期間の事を言い、日本人の平均健康寿命(2013年)は男性71.2歳、女性74.2歳です。つまり男性で約9年、女性で約13年、医療・介護が必要な状態で過ごし、人生の最後を迎えている事になり、医療・介護費が増大している原因となっています。
介護が必要になる状況を避け、健康寿命を延ばす意義は非常に大きいと考えます。介護が必要となる2大疾患は、脳卒中と認知症です。

脳卒中は、高血圧が誘因となり発症する事が多く、血圧120mmHg未満と比較すると、血圧180mmHg以上では8倍以上発症リスクが高まります。一方で、血圧が10mmHg低下する事により、脳卒中の発症リスクが40%低下する事が報告されており、血圧管理を行っていく事で、脳卒中の発症を予防する事ができます。

認知症は、急激に増加しており、団塊の世代の方たちが後期高齢者に達する2025年には、現在460万人とされる認知症患者が、700万人を超えると推定されています。今後大きな社会問題になると考えられるため、認知症を理解し、認知症発症を予防する事が重要です。
最近の研究で、認知症の発症に生活習慣病が関与している事が明らかとなりました。久山町研究の結果、中年期に高血圧があると、老年期に血管性認知症発症が6~10倍増加し、中年期に糖尿病、喫煙歴があると、老年期にアルツハイマー型認知症発症が2~3倍増加することが明らかとなりました。また、定期的な運動習慣や、食生活(和食+野菜+乳製品)により、認知症の発症リスクが30~40%減少する事も明らかとなりました。中年期から生活習慣を変え、生活習慣病の治療を行っていく事が、脳卒中、認知症の予防、健康寿命の延長につながると考えられます。

生活習慣病外来の役割

喫煙や食生活などの生活習慣を変え、実行、維持することは容易なことではありません。
当院の生活習慣病外来では、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士によるチーム医療により、患者さんや御家族の生活習慣に対する認識を無関心から関心へ、そして実行、維持できるようにサポートしていきます。具体的には

  • 日本禁煙学会認定指導者、禁煙サポーターによる禁煙指導
  • Inbodyを用いて体の成分(水分、筋肉、脂肪)を評価した後に行う管理栄養士による食事指導
  • 理学療法士による当院2階のトレーニングルームを利用した運動指導
  • 専門医による適切な治療薬の提案

を行っています。適切な食事療法と運動療法、適切な薬物療法により、生活習慣病の加療を行うことで、寿命だけでなく、健康寿命も延ばす事ができます。「地域の皆さんがいつまでも健やかな生活を送ることが出来る」そんな未来のための「まちづくり」を医療という分野から支えていきたいと考えています。