内科/腎・生活習慣病外来

糖尿病透析予防外来

腎臓機能が正常の10%以下になると、生命維持のためには、透析、移植などの腎代替療法(腎臓の機能を代行する治療)が必要となります。現在わが国では、毎年3万人以上が透析導入となっており、糖尿病性腎症が、原因の第1位となっています。
当院では、新規に透析導入になる患者さんを減少させる事を目的に、糖尿病性腎症が進展しないように、医師、看護師、管理栄養士が協力して重点的に指導を行う糖尿病透析予防外来を行っています。

糖尿病性腎症

糖尿病3大合併症のひとつであり、糖尿病患者の約40%が罹患しています。自覚症状のないまま、腎臓の機能が低下し、足のむくみなどの自覚症状が出現した時には、すでに腎不全となっている事が多く、早期からの厳格な血圧管理、脂質、血糖管理を行う事が必要です。

下記の表のように、腎臓機能とアルブミン尿から、病期は第1~第5期に分類されます。

糖尿病性腎症

  アルブミン尿区分 A1 A2 A3
  尿アルブミン定量
尿アルブミン/Cr比(mg/gCr)
正常アルブミン尿
30未満
微量アルブミン尿
30~299
顕性アルブミン尿
300以上
  (尿蛋白定量)
(尿蛋白/Cr比)(g/gCr)
    (もしくは高度蛋白尿)
(0.50以上)
腎臓機能
(mL/分/1.73m2
≧90
60~89
45~59
30~44
15~29
<15
(透析療法中)
第1期
(腎症前期)
第2期
(早期腎症期)
第3期
(顕性腎症期)
第4期
(腎不全期)
第5期
(透析療法期)

糖尿病はあるが、尿中にアルブミンを認めない第1期、尿中に微量のアルブミンが出現する第2期、尿中に多量のアルブミンが出現する第3期、腎臓機能が低下(30%以下)する第4期、透析療法が必要になる第5期です。

第2期、早期の第3期までであれば、厳格な治療を行う事で、糖尿病性腎症を完治する(第1期に戻す)事が可能な時代となってきました。進行した第3期、第4期であっても、厳格な血圧、血糖、脂質管理、ダイエット、塩分制限、禁煙指導等により、進行を抑制する事は可能です。

これらの治療を行っていくためには、患者さんや御家族が病気に対する知識を深め、治療の必要性を理解していただく事が必要不可欠となります。当院では、腎臓病、糖尿病の資格を有するスタッフによるチーム医療により、患者さん、御家族が病気と向き合い、乗り越える事ができるようにサポートしていきます。

糖尿病透析予防外来の概要

 日    時月曜日~金曜日 9時~12時  
*診察に合わせ、栄養指導、看護相談を予約します
 対    象糖尿病性腎症 2期~4期 の方で、医師が必要と判断した患者さま
 担    当腎臓内科専門医、糖尿病療養指導士、管理栄養士、看護師

 内    容
・医師:糖尿病、高血圧、慢性腎臓病の管理、病期に応じた適切な治療の
提案 
・管理栄養士:栄養評価に基づいた食事指導、食事療法に関する相談
・看護師:糖尿病性腎症と生活習慣との関連の説明、療養指導